カスピ海を船で越えて
バクー港/アゼルバイジャン
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■6月30日 午前5:12
船員が慌ただしく俺らの部屋に入ってきた。
ん?
何かを言い残して去っていったようだが、言葉が分かない。
まわりが起き出したのを見ると、どうやらバクー港に着いたようだ。

気がつけば、船の揺れもなくなっていた。
隣にいたおっさんに聞くと、「スタンプ、スタンプ!」だという。
出国手続きのことか。
ベッドから這いだし、歯ブラシ片手に甲板にでた。
まだ外は真っ暗闇だが、遠くには街の明かりが見える。
いくつもの高層ビルがそびえ立つ。
久々の都会だ。

食堂で入国手続きを済ませる。
よかった、パスポートもきちんと戻ってきた。
そこから部屋に戻ってもう一眠り。
7:30。
もう一度、今度は同部屋のおっさんにそろそろだと言われたので、
急いでトラックの隙間をぬってなんとか船外に出た。


しかし、一向に車が取り出せる気配がない。
俺らのデリカ(車)は、
船底の、それも一段下の船底の、そのまた一番奥に入れたんだよね。
まだ上の階のトラックも出ていない。
も~いつになることやら。とほほ...
結局、車を出せたのは一時間後。
それから港を出るべく走っていると、ゲートにさしかかる。
横に事務所のような建物があり
そばには一緒にアクタウ(カザフの港)から自家用車できた他の家族たちの車もとめてある。
おそらくここで手続きをするのだろう。
その横にデリカを停めて、俺も書類をもって彼らと一緒に事務所向かう。
中に入ると、すでに4,5人が窓口に並んでいた。
制服を着た担当官が、いやに高圧的な口調で対応している。
この男、あまりにも人を馬鹿にしてる...
いや、ロシア語だから何を言ってるかは分からないんだけど
口調や周りの人の不満そうな反応をみれば、だいたいの察しはつく。
しかもなんという作業の遅さ。
せしめたお札を一枚一枚丁寧に数える。めっちゃ遅い。
でも、遅いくせに、一回、二回と繰り返し確認していく。
いやいや、何回数えれば気が済むんじゃい!!
もっとちゃちゃっとせんかい!
しかし、驚くのはまだ早かった...
担当官:「ここを通るのに、500ドル払ってもらう。」
ちょいまち!!!
いや、馬鹿げてるだろ!絶対、そんなに高くないだろ!
明らかに不当な金額に、周りのトラック運転手も不満たらたらだ。
しかし、そんな願いもおっさんは頑として受け付けない。
地元の人も抗議してるんだから、やはり絶対におかしい。
そして、次の瞬間衝撃的な光景が…
「これはおかしい!」
と一人が抵抗した時だ。
そのおっさん、ブチ切れる。
そして、その人の大切な通関書類を
目の前でびりびりに引き裂いた!!
どっひゃ~~~、マジでやっちゃってるよこの人。
もう、その場にいたみんなドン引き
一気に静まり返った室内。
破られた人はさすがに抗議するも、おっさんはドアを指さして「Go OUT !!」の一点張り。
それを見た次の人からはさすがに諦め、言われた通りの金額を払っていく。
ただ、待てよ。
俺、今幾ら持ってたっけ?
確かめてみると、300ドルもない。
やっべぇ...
そして、俺の番になった。
おそるおそる聞いてみた。
俺:「あの~お金がないのですが...」
そいつ:
「はぁ?お前ロシア語話せないのか??
なら、失せろ!!」
どっひゃ~~~、お金以前の問題ですか~~い(泣)
為すすべなく一時間以上も並んだ列の最後尾へと戻る。
その後も延々待ち続けたあげく、結局よくわからないでいると
他の事務所へまわされた。
そして何故か他の人と一緒にタクシーで行ってこい!みたいに命じられ
そこから30分程タクシーで街を走る。
繁華街を通りすぎ、海沿いの古ぼけた建物に着いた。
あ、「~~CUSTOM」の看板だ。
おそらく、通関関係の事務所だろう。
とりあえず、言われたままパスポートなどを提出して、用紙を一枚もらう。
なんだよこれ、ロシア語で一文字も読めん...
そのまま建物を出ようとした時だ、欧米バイカーらしき二人組が入り口から入ってきた。
お互い、「お!」と思ったのだろう
「英語話せますか?」となり、
「イエス、もちろんだ!」
聞けばフランス人で、ヨーロッパからずっとここまで来たとか。
それでこれから、俺らとは逆にアクタウに渡るんでその情報集めにきたらしい。
「いや、申し訳ないけど俺も訳も分からずここにいるわけで、何も分からないんだよ。」
逆に、さっきもらった用紙が車の一時輸入許可証だという事を教えてもらえた。
しかも、タクシーで一緒に来た人はグルジア出国までの猶予が3日しかないのに
俺らは15日ももらえたということも発覚。
お、やったぜ、しめしめ。
しかし、喜びもつかの間そこに一緒にタクシーで来た人たちがきて
何でお前だけ15日なんだよ...とつつかれるはめに。
しまいには、なぜかタクシー代も俺もちだよ。マジでふざけんな。
タクシーで港に戻り、よしこれでいけるぞ!と思ってると
まだお金を払ってないとかで、もう一度タクシーで街中へお金を下ろしにいくはめに。
それで戻ってやっと車でゲートを通れたのが15:30
朝の5:30にたたき起こされてから、実に12時間もかかったことになる。
もう、疲れとストレスがピークだ。

バクーの中心部に入ると、あまりの都会ぶりに驚いた。
すげー!いわゆる超高層ビルがいくつも乱立し
街並みもきれいに整備されヨーロッパのような厳かな雰囲気を醸し出してる。
まぁ、そんなことを味わう余裕も今はないので
とりあえずカフェで久しぶりにまともなものを食べる。
その後は、ネットカフェで夜まで休息。
今日は12世紀にたてられた城壁の脇で車中泊。
おやすみ~
【LOOK公式サイトたち】
☆ウェブサイト 車からの景色などの動画も盛りだくさん!
☆ブログ 車旅の様子を毎日更新中♪
☆Facebookページ 相方の隆が写真をたくさんアップ中!
船員が慌ただしく俺らの部屋に入ってきた。
ん?
何かを言い残して去っていったようだが、言葉が分かない。
まわりが起き出したのを見ると、どうやらバクー港に着いたようだ。

気がつけば、船の揺れもなくなっていた。
隣にいたおっさんに聞くと、「スタンプ、スタンプ!」だという。
出国手続きのことか。
ベッドから這いだし、歯ブラシ片手に甲板にでた。
まだ外は真っ暗闇だが、遠くには街の明かりが見える。
いくつもの高層ビルがそびえ立つ。
久々の都会だ。

食堂で入国手続きを済ませる。
よかった、パスポートもきちんと戻ってきた。
そこから部屋に戻ってもう一眠り。
7:30。
もう一度、今度は同部屋のおっさんにそろそろだと言われたので、
急いでトラックの隙間をぬってなんとか船外に出た。


しかし、一向に車が取り出せる気配がない。
俺らのデリカ(車)は、
船底の、それも一段下の船底の、そのまた一番奥に入れたんだよね。
まだ上の階のトラックも出ていない。
も~いつになることやら。とほほ...
結局、車を出せたのは一時間後。
それから港を出るべく走っていると、ゲートにさしかかる。
横に事務所のような建物があり
そばには一緒にアクタウ(カザフの港)から自家用車できた他の家族たちの車もとめてある。
おそらくここで手続きをするのだろう。
その横にデリカを停めて、俺も書類をもって彼らと一緒に事務所向かう。
中に入ると、すでに4,5人が窓口に並んでいた。
制服を着た担当官が、いやに高圧的な口調で対応している。
この男、あまりにも人を馬鹿にしてる...
いや、ロシア語だから何を言ってるかは分からないんだけど
口調や周りの人の不満そうな反応をみれば、だいたいの察しはつく。
しかもなんという作業の遅さ。
せしめたお札を一枚一枚丁寧に数える。めっちゃ遅い。
でも、遅いくせに、一回、二回と繰り返し確認していく。
いやいや、何回数えれば気が済むんじゃい!!
もっとちゃちゃっとせんかい!
しかし、驚くのはまだ早かった...
担当官:「ここを通るのに、500ドル払ってもらう。」
ちょいまち!!!
いや、馬鹿げてるだろ!絶対、そんなに高くないだろ!
明らかに不当な金額に、周りのトラック運転手も不満たらたらだ。
しかし、そんな願いもおっさんは頑として受け付けない。
地元の人も抗議してるんだから、やはり絶対におかしい。
そして、次の瞬間衝撃的な光景が…
「これはおかしい!」
と一人が抵抗した時だ。
そのおっさん、ブチ切れる。
そして、その人の大切な通関書類を
目の前でびりびりに引き裂いた!!
どっひゃ~~~、マジでやっちゃってるよこの人。
もう、その場にいたみんなドン引き
一気に静まり返った室内。
破られた人はさすがに抗議するも、おっさんはドアを指さして「Go OUT !!」の一点張り。
それを見た次の人からはさすがに諦め、言われた通りの金額を払っていく。
ただ、待てよ。
俺、今幾ら持ってたっけ?
確かめてみると、300ドルもない。
やっべぇ...
そして、俺の番になった。
おそるおそる聞いてみた。
俺:「あの~お金がないのですが...」
そいつ:
「はぁ?お前ロシア語話せないのか??
なら、失せろ!!」
どっひゃ~~~、お金以前の問題ですか~~い(泣)
為すすべなく一時間以上も並んだ列の最後尾へと戻る。
その後も延々待ち続けたあげく、結局よくわからないでいると
他の事務所へまわされた。
そして何故か他の人と一緒にタクシーで行ってこい!みたいに命じられ
そこから30分程タクシーで街を走る。
繁華街を通りすぎ、海沿いの古ぼけた建物に着いた。
あ、「~~CUSTOM」の看板だ。
おそらく、通関関係の事務所だろう。
とりあえず、言われたままパスポートなどを提出して、用紙を一枚もらう。
なんだよこれ、ロシア語で一文字も読めん...
そのまま建物を出ようとした時だ、欧米バイカーらしき二人組が入り口から入ってきた。
お互い、「お!」と思ったのだろう
「英語話せますか?」となり、
「イエス、もちろんだ!」
聞けばフランス人で、ヨーロッパからずっとここまで来たとか。
それでこれから、俺らとは逆にアクタウに渡るんでその情報集めにきたらしい。
「いや、申し訳ないけど俺も訳も分からずここにいるわけで、何も分からないんだよ。」
逆に、さっきもらった用紙が車の一時輸入許可証だという事を教えてもらえた。
しかも、タクシーで一緒に来た人はグルジア出国までの猶予が3日しかないのに
俺らは15日ももらえたということも発覚。
お、やったぜ、しめしめ。
しかし、喜びもつかの間そこに一緒にタクシーで来た人たちがきて
何でお前だけ15日なんだよ...とつつかれるはめに。
しまいには、なぜかタクシー代も俺もちだよ。マジでふざけんな。
タクシーで港に戻り、よしこれでいけるぞ!と思ってると
まだお金を払ってないとかで、もう一度タクシーで街中へお金を下ろしにいくはめに。
それで戻ってやっと車でゲートを通れたのが15:30
朝の5:30にたたき起こされてから、実に12時間もかかったことになる。
もう、疲れとストレスがピークだ。

バクーの中心部に入ると、あまりの都会ぶりに驚いた。
すげー!いわゆる超高層ビルがいくつも乱立し
街並みもきれいに整備されヨーロッパのような厳かな雰囲気を醸し出してる。
まぁ、そんなことを味わう余裕も今はないので
とりあえずカフェで久しぶりにまともなものを食べる。
その後は、ネットカフェで夜まで休息。
今日は12世紀にたてられた城壁の脇で車中泊。
おやすみ~
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